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2011.12.23

[Dragon Age 2]同人小説"Eye of the Storm"

 DA2/DAOをテーマとした同人小説の話です。興味の無い方はここでお戻り下さい。

 

"Eye of the Storm"という同人小説の紹介です。
 この小説はKindleに全部コピーしてもうずっと繰り返し読んでます。おもしろいんだわ、これが。キャラクター描写も上手いし、読みやすくて眼が滑らないし、一つ一つの章が短くてさっくり読めます。
 舞台はスタークヘイブン、時代はDA2ラスト直後から、登場人物はセバスチャン始めDA世界の仲間が勢揃い。途中からM指定(つまり18禁)になりますが、最初の間はティーンエイジャーでも読める(ってここの読者には居ない、はず)T指定です。

 1つ1つの章はそれほど長くありませんが、何しろ更新頻度がもの凄い。大体毎日更新、たまには2回更新されたりします。

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第1章

 チャントリーの爆破後、ホークはアンダースをその場から立ち去らせた。セバスチャンは(既に皆ご存じの通り)これを許そうとはせず、彼自身の軍隊を率いて必ずカークウォールに戻り、アンダースを探しだして復讐を遂げると誓った。

 数日後スタークヘイブンに到着したセバスチャンを待っていたのは、事件の起きる前に書かれたエルシナからの手紙だった。

「…あなたが怒りに我を忘れる事があるのが何よりの気がかりです、我が息子よ。
復讐を求めてはなりません。我らを待ち受ける暗い時代の中で、スタークヘイブンを戦火に追われ、逃げ惑う人々への安息の地として欲しいのです、もし出来るならば。」

 そして数週間後。スタークヘイブン大公となっていた彼の従兄弟ゴランは、後ろ盾無く血統も劣位の立場を悟り、闘うことなく元の領地へと引き返した。正当な統治者の地位を取り戻したセバスチャンは、再びエルシナからの手紙を読み返していた。

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 ノックの音が聞こえた時、彼はまだその言葉を思い返していた。
「入れ!」

 彼の衛兵隊長が部屋に入ってきた。
「何かあったのか、隊長?」
「失礼をお許し下さい、閣下。その、門前で騒ぎが起こりまして。男が中に入れろ、閣下と話がしたいと騒いでいるものですから。メイジのようです。」

「アポステイトが?」
 セバスチャンは立ち上がり、鋭く尋ねた、
「ここに何の用があると言うのだ?」

「降伏するためさ。」
 あまりに聞き慣れた、疲れた様子の声が彼の背後から聞こえた。セバスチャンは身を翻し、ドアのすぐ内側で、両腕を衛兵に堅く拘束されて立つアンダースの姿を目にして、口を大きく開けた。三人目の衛兵はその背後で刃付きの杖を抱え、更に二人の衛兵が少し離れた所から、彼の胴体を狙ってクロスボウを番えていた。

「アンダース!」
 セバスチャンは愕然として叫び、その手は既にベルトに刺した短剣へと伸びていた。
貴様、ここで何をしている?」
 疑惑と嫌悪に満ちた尖った声で、彼は尋ねた。

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第26章

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 別の男が前に進み出てると、最初の男を睨み付けて言った、
「この男の失礼をお詫びします、殿下。私共は皆アンズバーグでのテンプラー同士の争乱と、その後の大火災で焼け出された避難民でございます。持っていた物全て火に焼かれ、家族を失った者も大勢おります。私共が心配するのはひとえに、以前の生活を破壊したのと同じ事がここでも起きるのではないかということです。」

 セバスチャンは軽く頷き、その避難民の男に言った。
「君の言うことは判る。カークウォールでの破壊と争乱をこの目で目撃した者として、そのような揉め事がここでも起きるのではないかというのは、スタークヘイブンに帰還してからの一番の気がかりと……」

「セバスチャン!伏せろ!

 長らく聞く事のなかった、しかし聞き覚えのある低く響く声。カークウォールを離れて以来使われることの無かった神経が目覚め、セバスチャンは即座に馬の背中に身を伏せ、頭上を微かな唸り音と共に矢が掠め去るのを感じ取った。

 セバスチャンは馬の胴体の、矢が放たれた方と反対側に身を寄せながら、攻撃を受けていることを察知した彼の衛兵が慌てて周囲に集まる物音を聞いた。

「屋上に注意しろ、アーチャー、2人いるぞ!」
 彼は即座にそう叫び、どこに何が隠れているか察知しようと周囲を見渡した。
一瞬、馬と馬の隙間に見覚えのある銀白色の頭が掠めたが、乱戦が始まるや否やその姿は襲撃者と共に城壁の間の小道に入り見えなくなった。

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 戦闘は速やかに終結した。ほとんどの襲撃者は首を失い、あるいは血に塗れて地面に倒れていた。偽装に使われた生き残りの避難民達を衛兵達の剣先が囲み、更に増援が城から駆けつけてきた。

 セバスチャンは周囲を見渡し、先に姿が見えなくなった小道からそのエルフが姿を現すのを発見した‐フェンリスは血に染まった、しかしごく普通の長剣を片手で持ち、痛々しく足を引きずり歩いてきた。衛兵もその姿に気づき、彼の前に走り出て剣を抜いた。

「待て!」
セバスチャンは馬頭を巡らせ彼らに大声で命じた、
「そのエルフに手を出すな、下がれ!」

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第99章

 セバスチャン暗殺未遂事件を機にフェンリス登場。その後ゼブランもある事件をきっかけにスタークヘイブンの客人となります。
 一方真っ当な貿易船稼業と奴隷商人退治に精を出す船長イザベラは、各地で起きる戦乱の中、逃げ惑うサークル・メイジ達を救う旅を続けていたテンプラー・カレン一行を乗せて、マイナンター河を遡上しスタークヘイブンへと到着します。

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 ゼブランはニヤッと笑って、
「まあ頑張ってね?だけどアンダースはもうその方面には興味はないと思うよ。」

「ふーんだ!」
 イザベラは口を尖らせて、椅子に深く身を沈めた。
「じゃ、あたしが自分で、若くて格好良いメイジを探すしかないわね、問題はどうやって あの技を真似させられるかだけど。ねえちょっと!ビリビリ指が出来そうなメイジに心当たりない?興味深々の男の子がきっと居るはずよ……」

 ゼブランの笑みは更に広がった。
「どうしてだか、僕にはそうは思えないのだけど。」

 フェンリスは話があらぬ方向に広がったのを聞いて居心地悪そうにしていたが、唐突に立ち上がった。
「これで失礼する。レッスンに遅れてしまうからな。」

 ゼブランは座り直すと彼の手を取り顔を見上げた。
「じゃ、後でまた?」
 フェンリスは彼を見下ろして微かに笑った。
「ああ。」
 彼はそう言うと手を離し、イザベラに会釈した後、身を翻し早足で出て行った。

 イザベラは片方の眉をつり上げ、フェンリスの後ろ姿とゼブランの顔を交互に見つめた。フェンリスがドアを閉じるや否や、彼女は下唇を少し噛むと興味深げにゼブランの方へ身を乗り出した。

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 アンダースのスタークヘイブンへの登場に始まって、(カッサンドラではない)シーカーによる襲撃、ホークの「アンダース救出作戦」に伴うフェレルデンの英雄との出会い、スタークヘイブンの美しい自然の描写と季節毎の行事、地元の人々との関わり、"Prince Elf"、新たなメイジサークルの創立、大公の座を巡るブラッドメイジの陰謀と、物語は季節を巡りつつ進んでいきます。

 そしてエルシナの後任として選出されたフリーマーチズの新たなグランド・クレリックは、未だ状況の不安定なカークウォールに変わりスタークヘイブンにその座を移す動きを見せます。これはまずい。どう考えても色々まずい。うああああああ。
レビューにはファン達の不安と期待の叫び声が(笑)。

 作者のMsBarrowsさんはなんとEverQuest時代から同人小説(……MMORPGで同人書いている人がいるとは知らなかった。どやって書くん?)を書いてらっしゃる方で、この小説も既に100章を越えていますが、ほぼ毎日更新という恐るべき速さとストーリーの上手さで読者を引きつけて離しません。

 この作品では所々で"Prince"が王の息子という意味で使われていますが、ご存じの通りスタークヘイブンは公国なので、セバスチャンは強いて言えば大公殿下で王子様ではありません(スパイクの日本語版でも「流浪のプリンス」とカタカナ表現になってる)。
 でもまあ、その方が面白いよね(笑)。物語中盤でこれに関するエピソードがあったりします。

 こんな小説、だっれも日本語でなんて書いてくれませんよ。スウェーデン語とかロシア語じゃなくて英語なだけ、まだマシと思って読むしか無いよね。(そして海外には、全く同じ理由で日本語を勉強している人がいるのは想像に難くない)

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