« [Dragon Age 2]Legacy終了後の感想 | トップページ | [Dragon Age 2]Legacy: A Memento of the Past »

2011.07.27

アンダースとアンネシュ、現実社会との奇妙な一致

 ノルウェー爆破・銃乱射事件のアンネシュ・ブレイビク容疑者(Anders Behring Breivik)が、 "Dragon Age 2"の登場人物にインスパイアされたのでは無いか、とする記事がアメリカの"The Post Chronicle"紙のサイトに掲載されています。

 記事の題名は「アンダース・ベーリング・ブレイヴィク:ノルウェーの『テンプル騎士団』とDragon Age2の相関」

 もう記事名見ただけで溜め息が出ますが、まあ読んでみましょう。概略だけ。ノルウェーの方をブレイヴィク(容疑者)、DA2の方はアンダースとします。

 実はこれは数日前に掲載された、ブレイビク容疑者がDA2やModern Wayfare、WoWをプレイしていた事、またファーストネームがAndersであることなどを掲載した記事の続編です。

------

先の記事でブレイヴィク容疑者とDA2の「アンダース」を比較したことで大変な関心を寄せて貰ったが、誤解も多いようだ。

 ブレイヴィク容疑者は、ヴィデオ・ゲームに命令されて爆破や射殺事件を起こしたのでは無い。別に驚くことでもないが、数多くのブロガーやコメンター、あるいはRSSが僕の記事を不正確に抽出した挙げ句に、このゲームが凶悪犯罪を実行したブレイヴィク容疑者を作り出した("made Anders")と非難しているかのように取られてしまった。もちろんみんなはそれが真実じゃないことくらいは判っていると思うが、最初の記事で言いたかったことをもう少し掘り下げてみたい。

 僕の記事に受けた反発の責任をBiowareやInfinity Ward(CoDの開発会社)に負わせるべきではないし、もちろん僕達ポストクロニクルも彼らを責めたことはない。実際の所、僕は両社の大ファンで、CoDやDAシリーズも何回もプレイしている。
 ブレイヴィク容疑者のマニフェスト(原文リンクしません)において、彼はDA2をプレイしている事について言及しており、これは爆破事件の数ヶ月前に彼が爆弾を作ったり射撃訓練をしていた時期と一致する。

「2011年4月(DA2リリース月):もう25日だ。やっと普通の生活に戻った。ここ何週間かは、DA2と他の最近リリースされたゲームで遊んでいる。イケてるよ!」

 ブレイヴィク容疑者のマニフェストは前半は彼の行動宣言ですが、後ろの100ページ-この文書1500ページもあるんです-の「準備期間中の活動記録」とある部分からの引用です。

 この記録は5月まで続いており、他のゲーム(Modern Warfare2、WoW等)をプレイする間に、同時に武器や爆薬に関する記載もあります。CoDやDA:Oについても記載があり、DA:Oは素晴らしいゲームであること、MW2は近年最高の軍事シミュレーションゲームだろうとも述べています。また前年からFaceBookやE-mailの消去、ハードディスクの交換など「過去の関わり合いの削除」に入っていた様子もうかがえます。

 彼らの外見がとてもよく似ている(※)ことや、同じ名前、あるいは共に行政府の建物を爆破したこと以外にも類似点はないだろうか。

何と戦っているか
アンダース:メイジの自由を抑圧する専制支配のテンプラー及びチャントリー

ブレイヴィク:彼が抑圧者として認知するところの、「多文化主義」、自由主義者、多国籍資本、人道主義者、及びノルウェー政府内の反ヨーロッパ憎悪信条派(適当な日本語訳無し、"anti-European hate ideology")、要するにマルクス主義者。

どうやって戦ったか
アンダース:メイジ対テンプラーの緊張を高め、テンプラー騎士団長の正気に「最後の藁を載せる」ためにチャントリーを爆破し、多くの男女や子供(※2)を殺害。テンプラーはメイジの全殺戮またはトランクィル化を決定し、メイジは生存を掛けた戦いを余儀なくされる。

ブレイヴィク:供述によれば、「テンプル騎士団」("Knight Templar")と名付けられた、イスラム主義及びマルクス主義と戦うことを目的とする国際的キリスト教民兵組織に加入したとされる。ヨーロッパ文化を多文化主義で飲み込もうとしている政府に対する戦いを始めるまでに8年間を準備に費やし、その間自ら戦闘トレーニングを行うと共に、CoDを通じて戦闘や狙撃の方法を学んだ。また彼は、WoWを熱心にプレイするためと称して仕事先から休暇を取り、テロ攻撃の準備期間の煙幕として用いた。

 ちなみにブレイヴィクは、WoWでは主にMageでプレイしていました。準備が出来た後の行動は、既に報じられているとおりです。

両者の最終的な目標

アンダース:フェレルデン全域における全てのメイジの自由(この記事ではフェレルデンと書いていますが、何かの勘違いかな?)

ブレイヴィク:イスラム主義(シャリア律法)及びマルクス主義(社会主義、共産主義)からのノルウェーの解放

 明らかに両者は同じではなく、片方はフィクションでもう片方はリアルだ。しかしながら、ブレイヴィクがこの登場人物からインスピレーションを得たと思うのはそれほど奇妙なことだろうか?「アンダース」がブレイヴィクにとって、最後の活動期間におけるロールモデルであった可能性は?この問いを実際に彼に聞くまで、はっきりした答えは得られないだろう。そしてもし彼が「イエス」と言った場合でも、それは容疑者アンダース・ブレイヴィクの今日の姿を作り上げた、ほんの小さな一部分である。
 僕はブレイヴィクが、このゲームをプレイする間に彼の知性と狂気の結合を見たと信じる。しなかったという事があり得るだろうか?あの爆発はDA2のクライマックスシーンでのまさに象徴的な中心なのだから。

 僕はBiowareのゲームを傷つけるつもりはない。僕も大好きだ。しかしながら、僕の仕事は偏見のないライターとして事実を報告し分析することである。この情報を正しく広め、君たちで討論して欲しい。
 最後に、どうかみんなノルウェーで失われた人命と、残された家族達のために祈って欲しい。これは911以降で最悪のテロ事件だ。

------------
 まさかね。ブログやゲーム関係のフォーラムで喋る位ならともかく、新聞社のサイトに載るとは思いませんでした。ただこれで怖いのがゲーム規制への影響です。アメリカの会社じゃないし、とは思いますが。

(※)似てるか??「白人男性、ブロンド、短髪、ちょっと額後退気味」というだけじゃん。大体ブレイヴィクの方は後ろで髪くくってないし、目の色も違う。あの髪くくってるのが(個人的には)チャームポイントなのに。
 この記者は「黒髪ポニテ」ならみんな同じキャラに見えるタイプだね、きっと。

(※2)実は没記事「DA世界での読み書き算数」で書こうとしていました。DA2世界の子供は、何れも大人の仕事の使い走りとしてこき使われる「小さな大人」です。これは恐らく、中世以前に『子供』は存在しなかったとする社会学上の通念をなぞっている物と思われます。(一方WoWには「子供扱い」されるキャラクターが存在します)

 ただしゲーム内でも一部に近代学校制度の走りが見られ、中流階級以下の子供に対する教育機関として、チャントリーとサークルが機能していたと思われること、さらにアンダースは基礎的な化学知識をサークルで身につけたのでは、という仮説を書こうとしていたのですが(笑)。
 フェンリエルが大きな穴。デーリッシュの母親から産まれてエイリアネージ育ちだよね。なんで読み書き出来るんだろう?

|

« [Dragon Age 2]Legacy終了後の感想 | トップページ | [Dragon Age 2]Legacy: A Memento of the Past »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54310/52323785

この記事へのトラックバック一覧です: アンダースとアンネシュ、現実社会との奇妙な一致:

« [Dragon Age 2]Legacy終了後の感想 | トップページ | [Dragon Age 2]Legacy: A Memento of the Past »